Googleは2026年10月13日、Google Developers Blogで「Gemini 4 Argon for Robotics」を発表し、3D環境の物理・空間問題を問うEmbodied Reasoning (ERQA)ベンチマークで、pure reasoningにより87%を記録したと公表しました。記事はPrincipal Software EngineerのKanishka Rao氏が執筆し、ロボット制御、Real2Sim、物理理解、研究・自己改善の4領域で代表的なプロンプトを示しています。
GeminiはGoogle DeepMindが開発するマルチモーダル対応のAIモデルファミリーです。
何が新しいか
GoogleはArgonを、物理的理解、コード生成、視覚・意味推論を組み合わせた汎用の物理推論モデルと位置づけています。原文はERQAのスコアについて「他のすべてのフロンティアモデルを上回る」と述べています。対象は実ロボットの操作、シミュレーション双子の構築、器用さや進捗の理解、シミュレーションを用いた行動改善とハードウェア上の自己改善で、ロボットのライフサイクル全体に適用できるとしています。
仕様・数値
| 項目 | 値 |
|---|---|
| ERQAスコア(pure reasoning) | 87% |
| Boston Dynamics Spot | 脚12-DoF + 腕6-DoF |
| ヒューマノイド全体 | 76-DoF(両腕、22-DoFの五指ハンド) |
| ヒューマノイドの腕 | 7-DoF |
| MuJoCoシミュレーション | 500 Hz(dt = 0.002s) |
| 持ち上げ検証条件 | > 2 cm |
利用例と試し方
ロボット制御: ArgonはSpotを操作し、足踏み式ゴミ箱にソーダ缶を捨てるスキルを習得します。実機でペダルを踏む前に、ゴミ箱の関節付きMuJoCoデジタルツインを作り、3脚バランスなどを練習します。プロンプトでは、足とハンドを検証する2エージェントの検証スウォーム(foot-verifierとhand-verifier)を指定しています。
ゼロショット制御: 単純なロボットアームで、倒れたマグを立て、丸めたナプキンを中に入れます。入力はwrist_cam.pngとobs.jsonで、2 cmグリッドの視覚座標ハーネスとCode-as-Policiesのプリミティブ(POST http://127.0.0.1:8081/plan)を使います。主なプリミティブはrobot.look_at(...)、robot.grasp(...)、robot.place(...)、robot.move_until_contact(...)、robot.open_gripper()、robot.close_gripper()、robot.home()、robot.done()です。status == "grasp_failed"の場合はrobot.look_at(...)で再観測し、閉ループで復旧します。
Omni control: ArgonはGemini Omni World Model内のロボットを閉ループで操縦し、散らばったScrabbleタイル5枚をA-R-G-O-Nの並びに整えます。タイムスタンプ付きの行動プロンプトを書き、ロールアウトのキーフレームを確認してプロンプトを修正します。デモは33ステップのロールアウトです。
Real2Sim
ロボット視点から: 遠隔操作エピソードを基にMuJoCoシーンを構築し、関節を記録されたobservation.stateに向けてjoint-space PDで駆動します。そのうえで3カメラの視覚一致と、Sharpa指先の接触力・トルクの物理一致を反復して検証します。調整できるのはシミュレーション開始前の物体アセットと、オフライン計画のコマンドです。コマンドはteleop軌跡から腕0.55 rad、手0.65 rad以内に収める必要があります。タスク物体は、ロボットの手および環境との実際のMuJoCo接触(mj_step)によってのみ動かせます。外力の付与、weld、qposの書き換えなどは禁止です。
人間動画から: egocentric_human_video.mp4、candidate_sim_views.png、hand_3d_keypoints.jsonを入力に、500 HzのMuJoCo環境(scene.xml)とBlenderレンダーを構築します。凹形状の容器は凸分解メッシュに置き換え、人の手の軌跡をヒューマノイドにリターゲットします。検証項目は、親指と指の対向によるフォースクロージャ、2 cm超の安定した持ち上げ、目標ランドマーク内または隣接位置への安定配置です。

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