inclusionAIは、エージェント用途向けのMoE拡散言語モデル「LLaDA2.2-flash」をHugging Faceで公開しました。非埋め込み100Bパラメータ・128Kコンテキストで、SWE-bench Verifiedは49.28、同ベンチマークでのスループットは519.0 TPSです。
何が新しいか
LLaDA2.2-flashはLLaDA2シリーズのモデルで、inclusionAIはシリーズとして初めてエージェント用途(長文コンテキストのツール利用、マルチターン対話、エラー訂正)に踏み出すモデルと位置づけています。主な技術は3つです。
- Levenshtein Editing:
DELETEとINSERTの制御トークンにより、拡散デコード中に系列構造を編集し、冗長な内容を削除し、並列生成中に挿入スロットを作ります。 - Block Routing: MoEのエキスパート活性化を拡散ブロック単位で制限し、128Kの長文コンテキストでのエージェント処理を効率化します。
- L-EBPO(Levenshtein Editing ELBO-based Block-level Policy Optimization): エージェント環境の報酬を使い、マルチターンのツール利用におけるLevenshtein Editingとエラー訂正を学習します。
モデルは32層、32アテンションヘッド、RoPE、語彙サイズ157,184で、ライセンスはApache-2.0です。
ベンチマークとスループット
inclusionAIはLing-2.6-flashと比較した結果を示しています。
| ベンチマーク | LLaDA2.2-flash | Ling-2.6-flash |
|---|---|---|
| SWE-bench Verified | 49.28 | 61.20 † |
| SWE-bench Pro | 30.10 | 31.88 |
| SWE-bench Multilingual | 25.00 | 33.73 |
| τ²-Bench | 80.33 | 76.36 † |
| Claw-Eval | 64.22 | 64.56 † |
| PinchBench | 81.66 | 81.30 † |
| MCP-Atlas | 46.21 | 41.12 |
| BFCL-V4 | 60.78 | 66.81 |
| スループット(TPS) | LLaDA2.2-flash | Ling-2.6-flash |
|---|---|---|
| SWE-bench Verified | 519.0 | 303.2 |
| SWE-bench Pro | 485.3 | 283.4 |
| SWE-bench Multilingual | 459.5 | 200.6 |
| τ²-Bench | 592.8 | 334.9 |
| BFCL-V4 | 703.82 | 331.5 |
LLaDA2.2-flashの評価条件は、全ベンチマークで128Kコンテキスト、temperature=1.0、block_length=32、threshold=0.5、editing_threshold=0.0で、各スコアは5回の実行の平均です。SWE-benchシリーズはClaude Codeのスキャフォールドで評価しています。Claude CodeはAnthropicが提供するコーディングエージェントです。
†印のLing-2.6-flashのスコアはLing and Ring 2.6 Technical Reportからの引用で、SWE-bench VerifiedはOpenHandsスキャフォールドでの値です。Ling-2.6-flashのSWE-bench ProとMultilingualは、inclusionAIがLLaDA2.2-flashと同じClaude Codeスキャフォールドで評価しました。Ling-2.6-flashのスループットは、MTPを4ドラフトトークンで有効にした条件です。
試し方
モデルIDはinclusionAI/LLaDA2.2-flashです。transformersと依存関係をインストールし、次の手順で読み込みます。
AutoModelForCausalLM.from_pretrained(model_path, trust_remote_code=True, device_map="auto")でモデルを読み込むmodel.to(torch.bfloat16)で変換し、model.eval()で評価モードにするAutoTokenizer.from_pretrained(model_path, trust_remote_code=True)でトークナイザーを読み込むtokenizer.apply_chat_templateで入力を作り、model.generateにeos_early_stop=True、gen_length=512、block_length=32、threshold=0.5、editing_threshold=0.0、temperature=0.0を渡す
inclusionAIは推奨の初期設定としてblock_length=32、temperature=0.0、top_p=None、top_k=Noneを挙げています。threshold、editing_threshold、max_post_stepsは速度と品質のトレードオフに応じて調整し、閾値を下げると推論は速くなる一方で、繰り返しや出力の不安定化が起きる場合があるとしています。
長文コンテキストのツール利用やマルチターンのエージェント用途では、サービングバックエンドにSGLangを使い、128Kコンテキストウィンドウに設定するよう推奨しています。SGLangはLMSYSのもとで公開されている推論フレームワークで、RadixAttentionや連続バッチ処理、OpenAI互換APIを備えます。

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