Raspberry PiのLinuxカーネルツリーに、未発表ボード「Raspberry Pi Zero 3 W」と「Raspberry Pi 4 Model A」のデバイスツリーファイルが追加されました。両ボードともRaspberry Pi 4と同じBroadcom BCM2711(クアッドコアCortex-A72)を採用する内容です。
何が新しいか
情報源はbcm2711-rpi-zero-3-w.dtsとbcm2711-rpi-4-a.dtsの2ファイルです。Raspberry Piは記事時点でまだ公式発表をしていません。内容を分析したBretの記事によると、Zero 3 Wは発売からほぼ5年が経つZero 2 WのRP3A0(クアッドコア1GHz Cortex-A53)からBCM2711へ移行します。Pi 4 Model Aは、2018年のRaspberry Pi 3 Model A+以来のModel Aです。
デバイスツリーから読み取れる仕様
| 項目 | Zero 3 W | Pi 4 Model A | Pi 4 Model B |
|---|---|---|---|
| SoC | BCM2711 | BCM2711 | BCM2711 |
| CPU | クアッドコアCortex-A72 | クアッドコアCortex-A72 | クアッドコアCortex-A72 |
| HDMI | 1系統 | 1系統 | micro HDMI×2 |
| Ethernet | なし | なし | Gigabit |
| Wi-Fi/Bluetooth | あり | あり(アンテナ切り替え*) | あり |
| ストレージ | microSD(eMMCの痕跡あり) | microSDのみ | microSD |
| アナログ音声/コンポジット | なし | なし | 3.5mm |
| SPIフラッシュブートローダー | あり* | あり* | あり |
| 電源ボタン | あり* | あり* | なし |
| LED | ACT | PWR、ACT | PWR、ACT |
*は記事執筆者による解釈です。
Zero 3 Wの詳細
- GPIOは通常の40ピン構成(GPIO 0-27とID EEPROMピン)で、既存HATとの互換を示しています。
- SPIフラッシュ用の線名があり、Pi 4と同様のEEPROMベースのブートローダーを搭載する可能性があります。Zero 2 Wにはありませんでした。
- GPIO 46に
KEY_POWERへ割り当てた電源ボタンが定義されており、物理ボタンか接続用ヘッダーの可能性があります。 - ストレージコントローラーは8ビット幅で「the eMMC/SD card」とのコメント付きですが、執筆者は最終基板ではmicroSDになると見ています。
- PCIeコントローラーが有効で
PCIE_PWR_EN、PCIE_DET_WAKEの線名があり、カメラは4レーンCSI構成です。ただし両ファイルにはコピー&ペーストの痕跡が多く、外部に出るかは未確認です。 - クロック速度はデバイスツリーに記載がありません。
Pi 4 Model Aの詳細
- Ethernetコントローラーは無効で、Model BでEthernet PHYを駆動していたGPIO線は別用途に割り当てられています。
- アナログ音声ピンは空で、コンポジットエンコーダーも無効です。
- microSDはModel Bと同じ1.8V信号のUHSモードに対応します。
ANT_CTRL1、ANT_CTRL2の2本のアンテナ制御線と、ant1、ant2、noantのオーバーレイパラメーターがあり、Compute Module 4の内蔵アンテナ/U.FL切り替えと同じ方式です。実現すれば金属筐体での利用に有用と執筆者は説明しています。- USBはデバイスツリーからは不明です。PCIeが有効なためUSB 3の可能性はありますが、執筆者は3 Model A+同様にUSB-A 1ポートと予想しています。
未確定の点
デバイスツリーはRAMを記述しないため、両ボードのメモリ構成は分かりません。価格、クロック、コネクタ形状、発売時期も確定していません。執筆者は、発売前にカーネルサポートが入るのは通常、発売が近い兆候だと述べています。

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