OpenAIのエンジニア逮捕、幹部会議室に録音装置を隠した疑い

米司法省・サンフランシスコ連邦検察局は、OpenAIのエンジニアAbdulrahman Alfozan氏(35歳、サウジアラビア国籍)が同社本社の幹部用会議室に録音装置を隠した疑いで逮捕し、口頭通信の傍受またはその試みの罪で起訴しました。有罪の場合、最長で懲役5年と罰金25万ドルが科されます。

OpenAIは人工知能の研究と社会への導入を手がける企業で、GPTモデル群やコーディングエージェントのCodexを提供しています。

事件の経緯

項目 内容
OpenAIでの勤務開始 2025年7月
装置の設置 2026年9月28日ごろ
装置の発見 2026年9月30日
別室で装置入りバッグが放置 2026年10月5日
拘留審問 10月19日(Alex G. Tse連邦治安判事)

装置は幹部用会議室のテレビ背面のUSBポートに接続され、トイレットペーパーに隠されていました。保存内容は暗号化されていました。検察側は、Alfozan氏には同室への入室や会議参加の権限がなく、監視カメラには発見前の複数日に同氏が部屋の近くにいる姿が映っていたと主張しています。10月5日には同氏が会議室に入りテレビの裏を覗くような動作をし、同日別室に放置したバッグから財布・身分証と、最初の装置に似た2台目の録音装置が見つかったとしています。

訴状によると、設置前に同氏は社内の生産性ツールで建物の住所、会議室、収容人数、カレンダー、幹部や外部パートナーとの会議場所を尋ねていました。また同氏の配偶者に紐づき同氏のアカウントと識別子を共有するチャットボットアカウントが、9月24日〜30日に「build a continuous audio recorder」「encrypt the SD card」など録音装置の製作・設置・隠蔽・遠隔アクセスに関するプロンプトを送信し、9月27・28日には後に発見された装置そのもの(固有のMACアドレスを含む)について質問していたとされます。

OpenAIの対応

OpenAIの技術監視対策チームが会議室のスイープ中に装置を発見しました。同社は自社AIモデルを使って装置の種類と出所を調べ、装置ストレージのフォレンジックイメージを分析して基礎データの変化を評価したうえで、FBIに通報しました。9月30日から逮捕日までにシステムと空間へのアクセスを段階的に制限し、物理・ネットワークアクセスを停止、休職扱いとして会社支給機器を確保しました。解雇は捜査に支障が出ないようFBIと時期を調整し、逮捕当日の金曜日に実施しました。

OpenAIは、装置が高度な暗号化、音声監視機能、監視を避けるためのデータ転送機構を備えていたと説明しています。会議室では専有研究、製品計画、政府関連案件などの機密情報が扱われていました。同社は、Alfozan氏が他の機密空間にも装置を設置する意図があった証拠があるとする一方、モデルの重み、ソースコード、顧客データへの不正アクセスや持ち出しの兆候は確認していないとしています。

当局の位置づけ

Craig Missakian連邦検事は「国家安全保障の問題」と述べ、FBIのKash Patel長官は米国のAIイノベーション保護を対諜報活動上の最優先事項の一つとしています。訴追は北カリフォルニア地区連邦検察局の国家安全保障・サイバー・特別訴追部門が担当しています。

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