米国の新しいAI研究所Reflectionは2026年10月16日、総パラメータ501B(トークンあたり活性23B)、コンテキスト長1M tokensのオープンモデル「Beam」をHugging Faceで公開しました。ライセンスはApache 2.0で、コーディングとエージェント用途に重点を置いています。
Hugging Faceは、モデルの重みやデータセット、デモを共有するHugging Face Hubを提供する企業です。紹介記事はben burtenshawが執筆し、mervе、Pedro Cuencaが協力しています。
何が新しいか
BeamはReflectionの最初のモデルで、テキスト入力・テキスト出力の疎なMixture-of-Expertsモデルです。1トークンあたり約23Bパラメータだけを計算するため、推論速度は23Bモデル相当ですが、256個の全エキスパートをメモリに保持するため501Bモデル相当のメモリが必要です。ReflectionはオープンソースのRust製専用ハーネス、Transformers実装、vLLM・SGLang対応に加え、SFTと強化学習(Milesによるフルパラメータ RL)のレシピも提供します。DFlash2による投機的デコーディング用のドラフターモデルも用意しています。
アーキテクチャと数値
| 項目 | 値 |
|---|---|
| Transformer層数 | 52(hidden size 5,120) |
| Attention | 43層がsliding-window(512トークン)、9層がglobal |
| ヘッド | query 48 / KV 8(GQA) |
| MoE | 先頭3層はdense、残り49層に256エキスパート、トークンあたり8選択 |
| ルーター | DeepSeek-V3型のgroup-limited方式(8グループ×32、上位4グループから8選択)、shared expertなし |
| KVキャッシュ(BF16、1シーケンス) | 32Kで1.2 GiB、128Kで4.6 GiB、1Mで36.08 GiB |
sliding-window層はRoPEを使い、global層は位置エンコーディングを持たず、可視トークン数に応じてqueryをスケールするscalable-softmaxを用います。全層globalの場合1トークンあたり208 KiB増えるKVキャッシュが、Beamでは36 KiBに抑えられます。残差接続は各ステップkでサブレイヤー出力を1/sqrt(k)で加えて規模を一定に保ち、最終logitsは±30のtanh softcapをFP32で適用します。
Reflection提供のベンチマーク(BF16)では、SWEBench Verified 81.6%、Terminal Bench v2.1 80.1%、SWE Bench Pro v1 66.1%、AIME 2026 97.7%、GPQA Diamond 90.6%、LiveCodeBench 88.3%、MCP Atlas 80.8%です。NVFP4でもSWEBench Verified 80.7%、Terminal Bench v2.1 78.2%と、BF16に近い値を示しています。
ハードウェア要件
| 形式 | 容量 | 対象 |
|---|---|---|
| BF16 | 約1 TB(safetensors) | — |
| FP8 | — | Hopper、Ampere |
| NVFP4 | 約280 GB | NVIDIA Blackwell |
原文は、NVFP4での配信が最も実用的だとしています。H200などBlackwell以前のGPUはNVFP4をネイティブ実行できないため、FP8版を使います。B200(180 GB HBM3e)2基の360 GBでも重みは載りますが、活性化やKVキャッシュの余地はほとんど残りません。そのため推奨構成はB200 4基(720 GB)です。ほかに8xB200ノード、B300(288 GB)2基、8xRTX Pro 6000でも配信できます。Blackwell環境がない場合は、Inference Providers(サーバーレス)で試せます。
試し方
モデルIDはreflection/Beam-1.0-501B-A23Bです。Transformers、SGLang、vLLMがday-0で対応しています。vLLMはPagedAttentionや分散推論を備えた推論・配信ライブラリ、SGLangはRadixAttentionなどを備えた推論フレームワークです。
Transformersは最新版をインストールします。
pip install -U "transformers>=5.20.1"
最も簡単な方法は、text-generation pipelineにdevice_map="auto"を指定して実行することです。より細かく扱う場合は、AutoModelForCausalLMとAutoTokenizerをfrom_pretrainedで読み込みます。
reasoningの強さはlow、medium(デフォルト)、high、xhigh、maxの5段階で、apply_chat_templateのreasoning_effortで指定します。preserve_thinkingを使うと、推論内容をターンをまたいで文脈に残せます。トークナイザーにはレスポンステンプレートが含まれており、parse_responseが推論・回答・ツール呼び出しを別フィールドに分けるため、正規表現で分割する必要がありません。ツール呼び出しでは、ツール定義をapply_chat_templateとparse_responseの両方にtoolsとして渡します。
Hubクレジットの提供
Reflectionは、Beamを使った最優秀プロジェクトに$10,000のHubクレジットを提供します。対象はSpacesのデモ、量子化モデル、合成データセット、RL環境、ベンチマーク結果などで、作成したリポジトリをモデルのリポジトリページで共有すると応募できます。

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