Anthropic、Claude Fable 5.1とMythos 5.1を公開

Anthropicは、Claude Fable 5.1とClaude Mythos 5.1を発表し、コーディング、知識労働、長時間の問題解決で新しい水準を示したとしています。本記事では、性能、科学研究での結果、安全性、価格を整理します。

2つのモデルの違い

Claude Fable 5.1とClaude Mythos 5.1は、基盤となるモデルは同一で、セーフガードの水準が異なります。Claude Fable 5.1は一般提供され、Claude Mythos 5.1はサイバーセキュリティとライフサイエンスの業務を対象とする信頼済みアクセスプログラムに限定されます。

Claude Mythos 5.1には、審査済みの個人・組織向けに、より許容範囲の広いセーフガードが適用されます。Cyber Verification Programは現在、防御的セキュリティ業務向けに、サイバーセーフガードを緩和したOpusクラスとSonnetクラスのモデルへのアクセスを提供しており、近い将来Mythosクラスも対象に加わる予定です。Life Sciences Verification Programは専門的な研究開発を対象とします。現時点の提供先は米国の一部組織で、後者には米国政府との連携で最初の参加者が登録されています。

ベンチマーク

Anthropicが示した主要な評価結果は次の通りです。Claude Fable 5.1は本番環境のセーフガードを有効にして評価されています。

ベンチマーク Claude Fable 5.1 Claude Fable 5 Claude Opus 5
Terminal-Bench-Science 0.1 52.6% 24.7% 29.0%
Terminal-Bench 4.0 55.8%(Mythos 5.1: 60.9%) 42.0% 52.3%
GDPval-AA v2 1853 1723 1824
OSWorld 2.0 77.9% partial、41.7% strict 72.9% partial、36.1% strict 75.4% partial、39.6% strict
Humanity's Last Exam 60.9% no tools、65.0% with tools 57.8% no tools、63.8% with tools 56.6% no tools、63.6% with tools
AutomationBench 31.4% 17.1% 26.9%
CursorBench 3.2.0 73.4% 70.5% 70.0%

セーフガードが介入したタスクでは、OSWorld 2.0でClaude Fable 5.1とClaude Fable 5が、AutomationBenchでClaude Fable 5が0点になりました。Terminal-Bench-Science 0.1の標準誤差はモデルごとに±3.5–4.5ポイントです。OSWorld 2.0は2026年8月版のタスクで評価され、タスクファイルが異なる以前の公開結果とは直接比較できません。

既定のeffortはClaude CodeでHigh、Claude CoworkとClaude.aiでMediumです。LowまたはMediumのClaude Fable 5.1は、Claude Fable 5と同等以上の結果をより低い費用で達成するとしています。

科学研究での結果

分子設計では、Claude Mythos 5.1の設計を外部の2組織が実験で検証しました。EGFR、Nipah G、15-PGDHの3標的で、結合親和性はAdaptyv Bioのタンパク質設計コンペに提出された最良設計の10倍でした。ただしNipah Gの比較対象はG headの受容体結合部位を狙った設計で、別領域のstalkを狙った約1.4 nMの設計はClaude Mythos 5.1の最良の結合体と同等です。実用可能な結合体となった割合は12標的全体で50%近くに達しました。現在のタンパク質設計では10-15%が一般的とされます。

Claude Fable 5.1は、NASAのMagellanミッションが30年以上前に取得したレーダー画像と、金星の5分の1の既存地図から、全体の3分の1の標高地図を作成しました。詳細度は従来の10〜20キロメートルから2〜3キロメートルに、高さの精度は最大25%向上しました。地図はCreative Commonsライセンスで公開されます。

計算生物学では、Claude Mythos 5.1が7つのオープンソース深層学習モデルを、同一出力のまま元の実装より最大2.5倍高速化しました。ゲノム規模の推定GPU費用は最適化前より30〜60%減りました。通常は性能エンジニアのチームに数週間を要する作業を、公開ソースコードだけで数日で実施しました。

安全性とアクセス制限

Claude Mythos 5.1は化学・生物分野でClaude Mythos 5を上回りましたが、Responsible Scaling Policyの次のリスク段階には達せず、同じセーフガードが適用されます。サイバー分野でもFrontier Compliance Frameworkの低い方のリスク区分です。

生物学向けセーフガードは、初歩的な生物学や医療の無害な依頼での作動がClaude Fable 5の提供開始時より85%減りました。サイバー向けではClaude Codeの1セッション当たりの介入がClaude Fable 5の従来版より平均約60%減ります。脆弱性の特定には使えますが、侵入テスト、エクスプロイト生成、バイナリでの脆弱性スキャンなどはClaude Opusモデルへ転送されます。

Enterprise Frontier Safeguardsは顧客データを顧客自身のクラウド基盤に保存します。100社を超える顧客との共同開発を経て秋から段階的に展開され、対象顧客はそれまでClaude Fable 5.1をゼロデータ保持で利用できます。

蒸留対策も強化されます。今回の発表以降に作成された新規APIアカウントでは、複数ターン会話で過去のコンテキストを手動編集しながら、Claudeの過去の思考のトランスクリプトを保持できなくなります。既存アカウントは現時点では影響を受けませんが、今後のモデルリリースでは全ユーザーに適用され、一部顧客のカスタム統合が影響を受けます。

EU AI Actへの対応

Anthropicは2026年7月、他の190者とともに、EU AI Actの「Code of Practice on Transparency of AI-Generated Content」に署名しました。これにより、2026年8月2日以降にリリースされたモデルの出力には、Claudeが文章作成に関与した可能性を判定する数値的なウォーターマークが付与されます。

ウォーターマークは検出APIを持たない者には見えず、出力の品質や内容に実用上の影響はなく、ユーザー、組織、Claudeとの会話に関する情報も含みません。検出APIはプライベートプレビューで、EU法上の適格組織として、規制当局、法執行機関、メディア、ファクトチェッカー、独立研究者、教育機関、EU市民社会団体などに提供されています。

価格と提供形態

Claude Fable 5.1は、Amazon Web Services、Google Cloud、Microsoft Azureを含む全プラットフォームで提供が始まっています。開発者はClaude APIでclaude-fable-5-1を利用できます。

キャッシュ読み取りは従来より75%安い100万トークン当たり0.25ドルです。入力は100万トークン当たり10ドル、出力は50ドルで、Claude Fable 5と同額です。費用はClaude Fable 5比で、典型的なワークロードなら約25%、複雑なコーディングなどでは最大約45%減るとしています。

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