OpenAI、GPT‑6 AstraでCAD・PCB設計を検証、社内モデルはBenchCAD 0.875

OpenAIは、ChatGPT、Codex、GPT‑6 AstraをCAD・PCB設計・シミュレーションなど物理製品のエンジニアリングに使った取り組みを公開しました。BenchCAD 2.0では新しい社内モデルが平均0.875を記録し、GPT‑6 Astra(最高推論設定)の0.594を上回っています。

CodexはOpenAIが提供するコーディングエージェントで、プロジェクト内のファイルを読み、コードを変更し、コマンドを実行して開発作業を進めます。

Astraで人の直接編集なしにデバイスを設計

OpenAIは、Codexと会話するためのデバイスを、人による直接編集なしでGPT‑6 Astraに設計させました。Astraが担当した範囲は次のとおりです。

  • 外観デザイン(Work Louderとの協業やゲーム・玩具を参照)
  • 筐体と部品を保持する内部構造の機械設計
  • 電気部品の選定と、筐体に収まるPCBの部品配置・接続設計
  • UI設計と、Codexに接続するためのファームウェア・ソフトウェア統合

チームメンバー2人がサイドプロジェクトとして1週間未満で設計し、受託製造業者が1か月未満で試作機を小ロット製造しました。一方でAstraは製造業者の生産上限、公差、組み立てに必要な詳細を一貫して考慮できず、製造準備には複数回のレビューと反復が必要でした。OpenAIはこうした欠落を今後のモデル改善点として位置づけています。

数値

項目 値
GPT‑6 AstraのBenchCAD 2.0平均スコア(最高推論設定) 0.594
新しい社内モデルのBenchCAD 2.0平均スコア 0.875
ハードウェアチームのモデル利用量増加(トークン基準、2月以降) 23倍
テスト用デバイスの設計期間 1週間未満
試作機の小ロット製造期間 1か月未満

BenchCAD 2.0は、3D部品・アセンブリの再構成と回路基板の接続識別を評価するベンチマークです。OpenAIのハードウェア・インフラチームは、ロボティクスと計算インフラの領域で、CodexとChatGPTをCADモデルの作成・修正、製造図面の作成、シミュレーション設定、設計レビューに使っています。

産業協力: Chip Ganassi RacingとMazda

OpenAIはChip Ganassi Racing(CGR)との協力を拡大し、R&Dチームと既存部品の3Dスキャンから編集可能なCADモデルと2D製造図面を作るワークフローを検証しています。元の設計ファイルがない場合を想定したもので、CGRのエンジニアが正確性と製造可能性を確認します。

Mazdaとは新たな研究協力を始めました。OpenAIのリサーチ部門とForward Deployed Engineeringチームが、Mazdaの空力・衝突安全エンジニアと共同で、新しいノーズ形状のモデル化、気流と構造挙動のシミュレーションを行い、性能・スタイリング・コストを考慮しながら設計を改良します。空力ではGPT‑6 Astraを車両の空気抵抗低減の検討に使っています。OpenAIは今後数か月で進捗と結果を共有するとしています。

参加方法

複雑な物理製品の設計・シミュレーション・製造・生産に関わるエンジニア、エンジニアリング企業、ソフトウェアベンダーは、OpenAIのcomputer-use research collaborationフォームから協力を申し込めます。対象分野は機械工学、電気工学、電気機械設計、メカトロニクスなどです。OpenAIは協力先による検証を通じて、安全で信頼できる実運用の条件を調べるとしています。

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