Mistralは、1兆パラメータのネイティブマルチモーダルモデル「Mistral Large 4(Le Chonk)」の改良版の重みを公開しました。公開プレビューから3週間の追加強化学習を経て、MistralはFrontierCodeとTerminal-Benchでオープンウェイトモデルの首位に立ったとしており、Cognitionの非公開ベンチマークFrontierCode 2.0のスコアは19.7%、Terminal-Bench 4.0は41%です。
Mistral AIは、AIモデルから開発者向けツール、計算基盤までを提供し、モデルの公開と利用者による制御を重視する企業です。
何が新しいか
Mistralは今月初めにMistral Large 4を公開プレビューとして出し、そのフィードバックを取り込みつつ強化学習のスケールを続けた改良版を、今回オープンウェイトで公開しました。改良の中心はコーディング、防御的サイバーセキュリティ、推論効率です。Mistralは「伸びは加速しており、飽和の兆候はない」と述べています。
ベンチマーク
| 指標 | スコア | 補足 |
|---|---|---|
| Cognition FrontierCode 2.0(非公開) | 19.7% | エンドツーエンドのコード品質とマージ可否を評価 |
| Artificial Analysis Coding Agent Index | 48% | GLM-5.3と同等、平均47%少ないトークン/タスク |
| Terminal-Bench 4.0 | 41% | プレビュー比+13ポイント、出力トークン30%削減 |
| Artificial Analysis Cyber Index | 51% | 脆弱性の発見・再現・修正能力 |
| 悪意あるサイバー要求の平均拒否率 | 96.6% | JailbreakBench、StrongREJECT、AgentHarmのサイバー関連プロンプト |
FrontierCode 2.0は、エンドツーエンドのコード品質と、リポジトリのメンテナがエージェントの変更をマージするかを評価します。Surge Codeのブラインド対比較評価では、GLM-5.3、Kimi K3、DeepSeek V4.1 Flashより好まれ、評価対象の中ではClaude Opus 5.5に次ぐ順位でした。拒否率96.6%について、Mistralはオープンモデルの中で自社計測の最高値としています。
推論モードと利用方法
Mistral Large 4は3つの推論モードを持ちます。
- Low: 単純なタスク向け。従来の「None」推論モードを置き換えます
- Medium: 日常的なタスク向け
- High(デフォルト): 高精度と徹底した推論が必要な最難関の用途向け
重みを使って組織自身のインフラに展開し、監査・カスタマイズできます。ElasticはMistralのオープンモデルをElastic Securityで現在サポートしていると述べています。
セキュリティ企業による評価
Booz Allen Hamiltonはソースコードセキュリティ分析の社内ベンチマークで、脆弱性検出の再現率が他のフロンティアサイバーモデルに並んだとしています。CrowdStrikeは脆弱性の推論と修正の高速化、ENISAは脆弱性特定・コード監査・防御ログ分析で検証中です。Cisco、Cloudflare、Fortinetもオープンウェイトによる自社管理・監査の利点を挙げています。Mistralは本モデルを欧州インフラでゼロから訓練し、ソブリンAIの基盤として位置づけています。

まだコメントはありません。